ブランド化する日式教育
中国では近年、日本式の丁寧で高級感のある商品やサービス、さらには仕事の進め方までが「日式○○」という名称で注目を浴び、一種ブランド化している。教育面でも「日式教育」として、トヨタやホンダ、パナソニックなどの大手企業が採用しているほどだ。
この日式教育は、市場成長を見込んで中国への進出が増えている中堅・中小にも大きな効果がある。私自身、約3年前から某中堅企業と上海で現地社員教育の取り組みを経験しているが、実際に日式教育を現地社員の育成に役立ててきた。
ただし、大手企業の日式教育をそのまま中堅・中小企業に当てはめれば良いわけではない。なぜなら「中小企業に優秀な人材は集まらない」という根本的な原因があるからだ。
導入事例01 上海:アパレル商社事例
株式会社Y商事。衣料商社。2000年より上海に現地法人を設立。従業員100名。うち中国人スタッフ85名(女性75名)。主にアジア地区における生産管理の拠点としている。
上海現地法人で研修を行う
まずは現地スタッフの受け入れやすいカリキュラムを選ぶ必要があります。堅苦しい素材を選び、『研修なんてつまらない、受講したくない』という印象を与えないよう注意する必要があります。初回研修の反応は上々でした。
- 非常に分かりやすく。仕事に使える
- 仕事はもちろん、プライベートにも役に立つスキルだ
- これ1回ではなく、定期的に研修を実施して欲しい
カリキュラムの概要
中国スタッフ向けの研修を日本同様、パターン化する
- カリキュラムは都度見直すとして、今回8月のように階層別に実施すること
- 階層は、当面 管理職、主任、3年目以上、2年目、新人、5階層とすること
- 毎年8月と2月(または3月)の年2回、定期実施すること
- 8月は1週間の日程とし、階層別に課題を与えること
- 2月は3日間の日程とし、8月内容のフォローアップとすること
定期的なフォローアップ
前回学んだ内容をどれだけ自分自身の実務に活かしているのかを確認するのが目的です。問題点を洗い出し、トレーニングプログラムの見直しと同時に、『どう使うか、どう運用するか』を徹底的に議論しました。
インストラクター制度を導入し、当面の間、主任をインストラクターとしました。
- 毎週金曜日に、新人は週報をインストラクターに提出する
- その週報とトレーニングプログラムをベースに、インストラクターは『目標達成検証』を作 成し、新人と面談する。
- その際、出来ていない業務を重点的に計画すること
共通の価値観作りのために
前回学んだ内容をどれだけ自分自身の実務に活かしているのかを確認するのが目的です。問題点を洗い出し、トレーニングプログラムのの見直しと同時に、『どう使うか、どう運用するか』を徹底的に議論しました。
今回8月研修では、現場の中心である主任たちに重点を置きました。主任たち9名には2日間の時間を割き、彼らにまずは共通の価値観を醸成させることに狙いを置いたのです。そして一つひとつの実例をわかりやすく彼らに解説していきました。
たとえば「部下を指導育成する」では、自分自身がおこなっている行動の中から、『他人に自慢ができること』『こうしたら上手にうまく育った』というノウハウやコツを具体的に書き出すのです。そして主任たち全員で共有し、具体的な行動事例にまとめます。
3年間をふりかえって
『日本的教育』を、上海の現地法人の中国スタッフに正面からぶつけてみました。結論から言うと、「十分、通用するではないか」です。具体的に何が変わったのでしょうか。
導入事例02 台湾:ジュエリー販売
『できる店長』の具体的な行動を集約して、素敵な小冊子にまとめます。
中国語版 人事政策研究所オリジナルコンピテンシーです。
台湾におけるブライダルジュエリーのトップブランドに成長しています。現地スタッフの日式教育を支援します!